東海大学の海洋調査研修船「望星丸」を使用して海外の諸外国を訪問し、多様な自然や文化に触れることで、国際的な視野を獲得し、実体験に基づく世界観と人生観の確立を目指します。また、船内という限られた空間と環境の中での共同生活を通して、豊かな人間形成を図るものです。
今回、私たち団役員は皆で話し合った結果、左記のようなテーマを掲げることとしました。
「通訳抜きの」というのは「直接自分で」「自分の目で、耳で、足で、手で、肌で」見たり、聞いたり、出かけたり、触ったり、感じたり、ということを比喩的、象徴的に表現しました。実際には、例えばフランス語が話されているというニューカレドニアでは、フランス語の通訳が必要になるかもしれません。しかし、研修生たちのやる気・熱意は、洋上研修で身につけたフランス語がたとえ片言であっても、それをカバーして余りあるものだと信じています。
対話は、出会いから始まり理解の入り口です。42日間の旅を通じて私たちは多くのモノとコトに出会い、直接の経験を通して多くのことを学び、理解するでしょう。
「世界」は自分の外に広がるもの総てを意味しています。物理的なことに限らず、時間を超えた歴史や未来も、想像や思索の世界もあります。つまり人間の人文・社会科学的な所産へのアプローチを「世界と」と表現しました。
「地球と」は、自然科学的な見地から私たちの地球を眺めて、環境、特に海洋の環境や島嶼国の自然、気象、人口、資源などの問題に触れ、深く考える機会にしたいとの思いが込められています。
「人と自分と」は、常に人との関係において自分があるということです。ここでの人とは、航海を共にする仲間たちや渡航先で出会う人々に限りません。これまで歩んできた人生で出会った人たち、特に自分を育んでくれた親・家族・先生・友人たちをも含んでいます。そのような人々と自分の関係を振り返り、自分の生き方を見つめ直し、未来に広がる自分の進路を定めること。この航海がそういった深い思索の機会になるようにしたいという願いを込めています。
こうしてこのテーマについて改めて考えてみると、いささか欲張りすぎた嫌いがありますが、私たち役員と参加者は一致協力してこの旗を掲げて進みたいと思います。
学校法人東海大学 総長
松前 達郎
学校法人東海大学 理事長・副総長
松前 義昭
東海大学 副学長
海外研修航海実行委員会委員長
吉川 直人
東海大学国際教育センター
留学生支援教育部門 教授
谷口 聡人
東海大学海洋調査研修船
望星丸 船長
二見 洋
研修には、事前研修、本研修(洋上研修、寄港地研修)があります。
事前研修とは、12月27日から3日間かけて行われる事前研修だけでなく、その後の本研修に向けた準備も含まれます。船内では限られた情報しか入手することができません。より良い研修とするために、事前研修では本研修が始まる前に準備をしておくべきもの、本研修が始まってからみんなで準備をするものについて検討し、計画を立て、情報収集および準備を進めてください。
本研修には、航海中に実施される洋上研修と各寄港地で実施される寄港地研修が含まれます。航海中、船内では様々な研修プログラムを準備しています。団役員からの講義もあれば、外国語講義も開講されます。また、皆さんが自発的に計画した研修を行うことも可能です。さらに、赤道祭や洋上卒業式といったイベントも用意されています。寄港地では、事前研修で調査を行ったことを現地で検証したり、大学交流を行ったりします。皆さんが自ら寄港地での研修計画を立案して研修を行うこともあります。
第48回海外研修航海は、2017年2月16日(木)から3月29日(水)までの42日間です。清水を出港して、小笠原諸島の父島、ミクロネシアのポンペイ、仏領ニューカレドニアのヌメア、パラオのマラカルに寄港して清水に戻るという、約8,460海里(約15,668km)の行程です。
2月15日(水) | 望星丸に集合・宿泊 |
2月16日(木) | 出港式:建学記念ホール・清水港出港 |
2月18日(土)-2月21日(火) | 小笠原諸島 父島沖~二見港 |
2月27日(月)-2月28日(火) | ミクロネシア連邦 ポンペイ港 |
3月 2日(木)頃 | 赤道通過(往路) |
3月 7日(火)-3月10日(金) | 仏領ニューカレドニア ヌメア港 |
3月16日(木)頃 | 赤道通過(復路) |
3月19日(日)~3月22日(水) | パラオ共和国 マラカル港 |
3月29日(水) | 清水港入港 帰港式:建学記念ホール |