テーマ
今回、私たち団役員は皆で話し合った結果、以下のようなテーマを掲げることとしました。
「通訳抜きの対話:世界と、地球と、人と自分と」
「通訳抜きの」というのは「直接自分で」「自分の目で、耳で、足で、手で、肌で」見たり、聞いたり、出かけたり、触ったり、感じたり、ということを比喩的、象徴的に表現しました。実際には、例えばフランス語が話されているというニューカレドニアでは、フランス語の通訳が必要になるかもしれません。しかし、研修生たちのやる気・熱意は、洋上研修で身につけたフランス語がたとえ片言であっても、それをカバーして余りあるものだと信じています。
対話は、出会いから始まり理解の入り口です。42日間の旅を通じて私たちは多くのモノとコトに出会い、直接の経験を通して多くのことを学び、理解するでしょう。
「世界」は自分の外に広がるもの総てを意味しています。物理的なことに限らず、時間を超えた歴史や未来も、想像や思索の世界もあります。つまり人間の人文・社会科学的な所産へのアプローチを「世界と」と表現しました。
「地球と」は、自然科学的な見地から私たちの地球を眺めて、環境、特に海洋の環境や島嶼国の自然、気象、人口、資源などの問題に触れ、深く考える機会にしたいとの思いが込められています。
「人と自分と」は、常に人との関係において自分があるということです。ここでの人とは、航海を共にする仲間たちや渡航先で出会う人々に限りません。これまで歩んできた人生で出会った人たち、特に自分を育んでくれた親・家族・先生・友人たちをも含んでいます。そのような人々と自分の関係を振り返り、自分の生き方を見つめ直し、未来に広がる自分の進路を定めること。この航海がそういった深い思索の機会になるようにしたいという願いを込めています。
こうしてこのテーマについて改めて考えてみると、いささか欲張りすぎた嫌いがありますが、私たち役員と参加者は一致協力してこの旗を掲げて進みたいと思います。