東海大学 学長
海外研修航海実行委員会委員長
山田 清志
大自然に抱かれ、南太平洋の国々を訪れる第49回海外研修航海は、参加される皆さんの様々な期待と夢をのせて出帆いたします。ある時は夜空には満天の星を仰ぎ、また紺碧の海原に広がる白きコーラルリーフを巡る航海は、強く皆さんの印象に残ることでしょう。
船内生活という特殊な環境下での研修は、共同作業を通じて自主性と協調性を養います。また、訪問する国々での交流は、異文化への理解とその存在を受け入れる柔軟な心を作ります。自国を見つめなおし、その素晴らしさを認識することで国際感覚が芽生えるのです。
赤道を挟んで南北太平洋に広がる海域は、小さな島々を意味するミクロネシア、黒い島々を意味するメラネシア、多くの島々を意味するポリネシアで構成されます。今回皆さんが訪問するミクロネシア連邦、バヌアツ共和国、サモア独立国、そしてマーシャル諸島共和国は、そのいずれかの地域に属します。一見すると同じように思える国々ですが、地域ごとにその文化や生活、習慣がまったく異なることに気づくでしょう。わずか1度の航海で全ての地域をめぐるこの貴重な機会を通じて体験的に学んでください。歴史を学び先人の足跡を辿って自ら検証し考えることは、皆さんの確固たる人生観を育て、その過去の歴史に思いを馳せることでしょう。
グローバル時代に突入し、情報の伝達と共有、経済の連鎖など、スピードにアクセルがかかり互いに影響を及ぼします。このような中、自然環境においては世界規模で破壊が進んでいます。訪問地では同年代の若者と意見を交わしてください。現実を見つめ、私たちが住むかけがえのない地球について考えてみましょう。
全行程42日間の研修航海は、陸では学べない、日本国内では学べない“ 何か” があります。海外研修航海は、皆さんに様々な機会を提供します。この機会を積極的に活用し、たくさんの貴重な体験を得られますよう願っております。