第35回 海外研修航海
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  「珊瑚礁の彼方に」

望星丸船長 荒木 直行
 
 水の惑星といわれる私たちの住む地球、地球の70%は海であり、海は世界に通じる道であり、有形無形の鉱物資源や生物資源が無尽蔵に眠る未知の世界でもあります。その海に挑み学ぼうとする若者たちのために、1993年に数多くの方々の協力を得て「望星丸」が建造されました。爾来、海洋観測実習航海の他に、世界一周研修、国連国際原子力調査、厚生省戦没者遺骨収集、セイル大阪世界帆船ヨットレース、ウラジオストック親善航海、ソフィア少年少女合唱団航海等を経験してきました。

 又昨年はNHK開局50周年記念番組「未来への航海」で全国放送され、多数の視聴者の方々から激励されました。

 そして、この度皆様方とともに、記念すべき第35回海外研修航海に参加できる事は望外の喜びであります。今回初入港となるコスラエ島、地球温暖化海面上昇に悩むフナフチ島、ミュージカル「南太平洋」のタヒチ島、南太平洋の真珠と称されるボラボラ島、無人島ツアー企画のマジュロ島への寄港や、総天然色の素晴らしく美しい海の風景や、満天の星座を見つめながらの航海を楽しみにしております。

 また、今年新しく海洋文明学科が開講されますが、その昔、珊瑚礁の彼方に、星と祈りと糧を求めて、カヌーや帆付き筏で、我々の想像以上に大航海をしていた古代太平洋海洋民族への思いを馳せながらの島々への歴訪は、有意義なものになると思います。

 一方、国際海事機構によるSMS安全管理システムの5年毎の更新検査の合格や、GMDSS全世界海難救助システムはもちろん、さらに国際船舶自動識別装置やSOLAS条約のVDR航海情報記録装置を新設し、航海安全には万全の対策をとっており、乗組員一同全力を尽くしその任務を全うしたいと思っています。

 そして、前進する東海大学のフラッグシップ(旗船)「望星丸」での第35回海外研修航海が、迸る様な愛とロマンと冒険に満ちた素晴らしい航海になるように、そして、この航海が、皆様方の今後の人生の中でいつまでも本物として燦然と光り輝いていることを、心より願っております。
 
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