研修にむけて
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学校法人東海大学では、1968年以来、本学所有の海洋調査研修船「望星丸」を使用した海外研修航海を毎年実施してきました。飛行機による海外旅行が普通の時代である今、なぜ船で旅立とうというのでしょう。
現代の文明社会に生きる我々は、コンピューターやインターネットなどの高速通信に代表される高度な科学技術に支えられ、当然のようにその恩恵を受け、日々の生活を送っています。このような社会に生きる我々は、その利便性ゆえ、生身の人間やかけがえのない自然と触れ合う機会が減少しつつあります。これからの社会を担う諸君にとって、今こそ異なる生活・文化を体験することで、「人間として大切なもの」を再確認し、「環境と人間の関係」をもう一度見つめ直し、「自然との共生」を考えていく機会が必要なのではないでしょうか。
参加者の多くは必ず、「陸では味わえない感動や発見があった」と感想を述べています。「教師や仲間と寝食を共にし、時に人生を語り、訪れる島々の異文化や自然に触れる」、そういった船旅ならではの体験の中に、感動や発見を見出すのです。
今年44回を迎える海外研修航海は、本学の特色ある教育活動として、第1回航海から毎年、参加した多くの学生達に「一生の思い出」を与え続けて参りました。これまでに参加した学生は延べ3236人に上ります。今後も「国際的視野に立った世界観・人生観の確立を目指す」「共同生活を通し、人間形成をはかる」という研修目的を達成すべく、諸君と共にこの海外研修航海の新たな歴史を創り上げていきたいと思います。
大いなる可能性を秘めた未知なる海。今、我々はその海に向けて船出しようとしています。それを価値あるものとするのは、諸君自身の決断と行動にかかっています。未知なる可能性に挑み、諸君の人生にとって必ずや意義深い貴重な経験となるであろう第44回海外研修航海への積極的な参加を期待します。