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総長挨拶
学校法人東海大学 総長 松前 達郎
「船で旅立つ意義」
海外研修航海企画委員会委員長
学校法人東海大学 総長 松前 達郎

諸君が参加する海外研修航海は、学校法人東海大学が実施している特色ある教育活動プログラムの一つで、1968年の第1回航海以来、今年度で第39回を数えます。今回の航海では、南太平洋の島々、マジュロ・フナフティ・ポートビラ・ヌメア・ポンペイを巡り、その航海距離は9,101マイル、約14,647kmにもなります。

現代の文明社会に生きる我々は、コンピューターやインターネットに代表される高度な科学技術に支えられ、その恩恵を受けながら日々生活しています。しかし、科学技術の発展に伴い人々の生活が向上する一方で、人と人とが直に触れ合い、語り合う、また、大自然と触れ合うという機会が非常に少なくなってきているように思います。そのような中、諸君が海外研修航海に参加し異文化を実体験することで「人間として大切なもの」を再確認し、「環境と人間の関係」を見つめ直し、「自然との共生」を考えていくことは、非常に大切なことであり、諸君にとってこれからの国際社会を生きる上での大変貴重な経験となることでしょう。

過去38回の海外研修航海に参加した学生は、延べ2,700人を超えます。参加者の多くは必ず、「陸では味わえない感動や発見があった」という感想を述べています。−教師や仲間達と寝食を共にし、時に人生を語り、訪れる島々の異文化に向き合い、有りのままの自然に触れる−そういった船旅ならではの一つ一つの体験の中に、感動や発見を見出すのです。そして、それらの体験を若き日に共有した仲間たちとの関係は、生涯の友として永く続くものとなるでしょう。

44日間の研修ではさまざまなプログラムが予定されていますが、実際にその中身を創り上げてゆくのは諸君自身です。「国際的視野に立った世界観・人生観の確立をめざす」「共同生活を通し、人間形成をはかる」という研修目的を達成すべく、研修中は何事にも積極的に参加し、自らの手でこの航海をより有意義なものとしてください。

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