諸君が参加する海外研修航海は、学校法人東海大学が1968年以来、30年以上にわたり実施している特色ある教育活動プログラムの一つです。第38回目にあたる今回の航海では、南太平洋の島々、ポンペイ、バヌアツ、リフー島、ヌメア、コスラエを巡り、その航海距離は8,167マイル(約13,144km)にもなります。
現代の文明社会に生きる我々は、コンピューターやインターネットに代表される高度な科学技術に支えられ、その恩恵を受けながら日々生活しています。この社会に生きる我々にとって、人と人とが直接触れ合い、語り合う、また、大自然と触れ合うという機会は非常に少なくなっています。そのような中、異文化を体験することで「人間として大切なもの」を再確認し、「環境と人間の関係」を見つめ直すことは、非常に大切なことであります。諸君が海外研修航海に参加しこれらを直接体験することは、これからの国際社会を生きる上で、大変貴重な経験となることでしょう。
過去37回の海外研修航海に参加した学生は、延べ2,600人を超えます。参加者の多くは必ず、「陸では味わえない感動や発見があった」という感想を述べています。
「教師や仲間達と寝食を共にし、時に人生を語り、訪れる島々の異文化や自然に触れる」、そういった船旅ならではの体験の中に、感動や発見を見出すのです。そして、それらの体験を若き日に共有した仲間たちとの関係は、生涯の友として永く続くものとなるでしょう。
42日間の研修ではさまざまなプログラムが予定されていますが、実際にその中身を創り上げてゆくのは諸君自身です。「国際的視野に立った世界観・人生観の確立をめざす」「共同生活を通し、人間形成をはかる」という研修目的を達成すべく、研修中は何事にも積極的に参加し、自らの手でこの航海をより有意義なものとしてください。
第38回海外研修航海に参加する諸君にとって、この航海が自らの人生に新たな歴史を刻むものとなることを期待します。 |