団長研修報告

本日、第40回海外研修航海研修学生並びに団役員は、無事清水港に帰港いたしました。今回の研修航海を通じて学生達は多くのことを学んだと思います。

訪れたポンペイ、フナフティ、ポートビラ、ヌメア、コスラエの５つの島々で現地の文化に触れ、そこに住む人々との交流を深めることができました。ポンペイでは、現地の子供達に絵を教えたり、コスラエの小学校で子供達と交流したり、フナフティではゴミ問題や地球温暖化による海面上昇などの環境問題について直接自分達の目で見ることで、自分には何ができるかを大いに考えさせられたことと思います。こうした経験を通じて、研修学生達は何かを感じるとともに、国際的な感覚や視野を身につけたことでしょう。島々にはＪＩＣＡの職員として、現地の人々に技術指導を行なったり、小学校で教師として働いたりする日本人から直接話を伺う機会を得た者もいます。これらの方々の活動に敬意を持ち、影響を受けた学生も少なくなかったはずです。

ヌメアでは、訪問したニューカレドニア大学で地元の大学生と交流できたことも、研修学生達にとって忘れられない出来事になったと思います。ポートビラの南太平洋大学やヌメアのニューカレドニア大学では、記念植樹や過去の研修学生が植えた木へのプレート付けを行いました。これは、これまで東海大学の海外研修航海が現地の大学と交流を続けてきたことの証しであるとともに、今後も続く大学間交流の新たな一歩となったと思います。

43日間の船内生活の中から、学生達は人間関係にとって大切なものは何かということについても学びました。自分の役割を自覚して行動する責任感、船酔い等のつらさに対する忍耐力、そして皆と協力しながら一つのことを成し遂げる協調性などです。特に、ヌメア寄港中行なった船上交流会では、研修学生、練習生、団役員、乗組員、さらに現地との調整に現地入りした国際戦略本部が一体となってこの行事に取り組みました。来賓の数は157人でこれまでで最多でした。また、来賓の皆さんも交えて踊った「よさこいソーラン」は研修学生にとって感慨深いものとなりました。船酔いで苦しんだ学生の一人は、仲間や団役員に支えられ最後まで研修を続けることができました。友情、励まし、思いやり、これらは学生にとって、また学生を支えた多くの方々にとっても大切な体験になったと思います。

今回の研修航海を通じ、自ら学び得た多くのことは、社会人になる卒業生にとっても、学生生活に戻る在学生にとっても、大きな財産としてこれからの人生に、学生生活に生かされるものと確信しています。

船の方々のご尽力と、研修航海を支援してくださった多くの方々の熱き思いがあって、研修学生94名全員を無事帰国させることができ、その責務を果たすことができました。

以上、ここに報告いたします。

2009年３月29日　第40回海外研修航海研修団団長　沓澤　宣賢