トップ研修生に向けて|団長挨拶

総長挨拶
団長 川向 妙子
「地球サイズで、みずから学ぼう」
—Reflecting on the 40 years and Setting Sail for the Future—
第40回海外研修航海研修団
団長 沓澤 宣賢
東海大学総合教育センター

1968年に始まった東海大学の海外研修航海も今回で40回目となりました。そうした意味で今回の研修航海は記念すべきものであります。そこで、第40回海外研修航海のテーマは、「地球サイズで、みずから学ぼう」といたしました。テーマは、本研修団役員から寄せられたいくつかのものの中から、皆で検討し決定したものです。海外研修航海の目的は文字通り、海外研修と研修航海というニつの意味を持っていると思います。即ち、一つは船で海外に出かけることにより、自らの目や感性でこれまでメディア等の報道でしか知らなかった世界に直に触れるということです。もう一つは船内での共同生活を通じて、仲間同士のふれあいを体験しつつ、改めて自己の内面をみつめ直すということではないでしょうか。本研修航海のテーマである「地球サイズで、みずから学ぼう」もまさに広い視野に立って世界を見つめると共に、自らが研修航海を通じて自己の研鑽に努めるとうことであり、併せて我々にとってみず=水がいかに大切なものであるのかということを改めて認識する機会になればという意味も込められています。

今回訪れるポンペイ、フナフチ、ポートビラ、ヌネア、コスラエといた島々は名前を聞いたことがあっても、これまで私たちにとってあまり身近な場所ではなかったかもしれません。しかし、歴史的にみてみるとかって国際連盟のもとで日本が委任統治していた島(ポンペイ)や、現在地球温暖化の影響を受け危機的な状況にある島(フナフチ)など、研修航海を通じて私たちは過去の歴史や現在の環境問題に向かい合う機会に出会うのです。

東海大学の建学の母体となったのは、1936年に東京武蔵野に開設された望星学塾であるとされています。そこでは、創立者の松前重義塾主をはじめ学生の塾生達が寝食を共にしながら、互いに学び研鑽につとめたということが記録されています。<『東海大学50年史』(東海大学出版会 1998)> 私は東海大学の海外研修航海は、この望星学塾に始まる教員と学生が寝食を共にしながらたがいに学ぶという精神を受け継いで、今日まで行なわれている東海大学の教育の一端だと思います。

研修航海を通じて、私たちは多くのことを体験することになります。まず、北海道から九州までキャンパスを越えて、学部を越えて多くの仲間と出会う機会を得ることです。こうした人と人の出会いを邂逅(かいこう)といいます。偶然のめぐり合いという意味ですが、教職員との出会い、学生同士の出会いが皆さんにとって大きな意味を持つかもしれません。是非こうした人との出会いを大切にしてください。また、テーマにもある自ら学ぶということですが、これも普段教室で学ぶ座学とは異なり、現地を直に見学したり、船内での共同生活の中から学ぶことは数多くあると思います。感受性の豊かな20歳台に、書物や体験を通じて多くのことを学んでおくことは人生にとって大切なことです。是非とも自ら学ぶという姿勢で研修航海に望んで欲しいと思います。船内での共同生活で大切なこともあります。相手を思いやり譲り合う心(互譲の精神)、船酔い等にもがまんする力(忍耐力)、皆と協力してなにかを成し遂げるということ(協調の心)、自分の役割を認識し責任を持って行動する(責任感)こうしたものを持って船内での生活にのぞんで欲しいと思います。

私たち団役員は、研修航海中研修生の皆さんの安全を確保することを最大の使命としています。その上で研修航海の目的である「1.海外の諸文化に触れ、国際的視野に立って人生観・世界観を確立させる。2.船内という限られた生活環境の中で、教員、仲間との共同生活を通じて、より協調性を養い、豊かな人間形成をはかる。」 ということを皆さんが達成できるよう指導・助言いたします。今回の研修航海は、これまでの長い歴史の上に立って次の41回に繋げていく意味ある、そして責任あるものです。団役員、研修生は共にこうした自覚に立って、良き人間関係そして信頼関係を築きながら、楽しみさらに実り多い研修航海にしたいと考えています。よろしくお願い申し上げます。

研修航海動画配信
研修航海の様子が
動画でご覧頂けます。

航海後記
航海を終えて見えたもの。研修学生からのメッセージ。

研修団のレポート
船上生活、研修の様子など団役員
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