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研修にむけて

船で旅立つ意義
―海外研修航海へのいざない ―

学校法人東海大学総長
海外研修航海企画委員会委員長
松前 達郎

海外研修航海は、学校法人東海大学が実施する特色ある教育活動プログラムの一つです。1968年の第1回航海から数えると今年で第46回目となり、海外研修航海参加学生数累計は3,430名に上ります。今回は、昨年度に引き続きアジアを巡航する計画であり、石垣島、ブルネイ(ムアラ)、タイ王国(バンコク)、台湾(台中)、沖縄(那覇)に寄港します。全航海距離約6,433マイル、11,920キロメートルの船旅です。

現代の文明社会に生きる我々は、コンピュータやインターネットなどの高速通信に代表される高度な科学技術に支えられ、当然のようにその恩恵を受け、日々の生活を送っています。しかし、科学技術の発展に伴い人々の生活が向上する一方で、人と人とが直に触れ合い、語り合う、また、大自然と触れ合うという機会が非常に少なくなってきているように思います。そのような中、諸君が海外研修航海に参加することで「人間として大切なもの」を再確認し、「環境と人間の関係」を見つめ直し、「自然との共生」を考えていくことは、非常に大切なことであり、諸君にとってこれからの国際社会を生きる上での大変貴重な経験となることでしょう。

全行程38日間の研修ではさまざまなプログラムが予定されています。今回は、各寄港地において本学の協定大学の学生や、本学同窓生との交流行事が予定されております。研修航海は本学三保研修館における事前研修から始まりますが、諸君とともに乗船する団役員と一緒に成長するアジアの国々を体感して欲しいと希望しています。参加者の多くは必ず、「陸では味わえない感動や発見があった」という感想を述べています。“教師や仲間達と寝食を共にし、時に人生を語り、訪れる国々の異文化に向き合い、ありのままの自然に触れる”。船旅ならではの一つ一つの体験の中に、感動や発見を見出すのです。それらの体験を若き日に共有した仲間たちとの関係は、生涯の友として永く続くものとなるでしょう。

第46回海外研修航海を作り上げるのは諸君たちです。諸君にとって、この航海が自らの人生の新たな出発点となることを期待します。