ボラボラ (Bora-Bora) 島 点描

東海大学海洋調査研修船
望星丸船長 (Ph.D) 荒木 直行

「南太平洋の真珠」と称されるボラボラ島 (16°30.4'S, 151°44.9'W) は、タヒチ島の北西約240kmに位置しています。伝説によれば、聖なる島ボラボラは、ポリネシアの島々の中で一番最初に海面に頭を突き出し、島を形成したと言います。この島を最初に発見した西洋人は、1722年6月6日、Capt.Reggeveenで、以降幾多の航海者が訪れてきました。第二次世界大戦中は、米軍が基地を建設しましたが、現在はフランス領ポリネシアとしてその一翼を担っています。  ボラボラ島は、その見事な岩礁や溜め息が出るほど美しく透き通るラグーンや多くの小さなモツ (小島) が、メインアイランドを取り囲んでいます。主島の中央部には二つの大きな火山 (Mont.Otemanu 727m, Mont.Pohia 661m) が聳え立ち、その切り立った岩肌が波打際まで迫り,また繁茂した緑が島全体を被っています。海岸線は曲がりくねり、白い砂浜を有する素晴らしい湾が幾つも形成され、南国の花々が島中溢れています。  望星丸は、外洋から島に近付く唯一の水路 (PASSE TEAVANUI) を通り礁海内の広々とした湾 (BAIE DE POVAI) に投錨予定です。中心地であるVAITAPE村 (人口 4,225人) の岸壁には着岸できませんが、洒落たデザインの高速艇が頻繁に輻輳しています。 朝は小鳥の囀りで目を覚まし、午前中は熱帯樹の葉陰で微風に吹かれながら短編小説を読み、午後はエメラルドグリーンの海での海水浴や総天然色の珊瑚礁の海底へのダイビングを楽しみ、夕刻は水平線に沈む真っ赤な夕日を見つめながらトロピカルカクテルを嗜み、夜は月光の下、南十字星や満天の星座を鑑賞しながら深い眠りについてゆくと言う一日を夢見ています。そして、第31回海外研修航海が、愛とロマンと冒険に満ちた素晴らしい航海になることを心より願っております。